聖アントニオ祭

懐かしい話シリーズ第二弾。
テキストだら打ちなので、文章うぜえ方は回避してください。

2005年6月1日。
聖アントニオ祭開催。

前回のイベント、イースターエッグがいまいちよく判らず、入港許可もなかったために乗り切れなかったおれは、今回もきっと乗り切れないんだろうな、と思いながら情報を調べ始めた。
だが調べていくうちに面白いことが判明する。
この祭は別名「イワシ祭」と呼ばれ、NPCから料理や生魚を請求されるのだ。

それを知ったおれは画面前で叫んだ。


「おれ祭キター！！！！！！」
（職業調理師、釣りランク10越え（当時））


請求されたアイテムは以下。
めんどくせえのでおれ的略称で記す。

エビハーブ
鯛チーズ
ポルブイヤ
ひらめワイン
鮭ムニ
マンボウ
ナイルパーチ
カマスサワラ

魚を釣りまくり、採集しまくり、料理を作りまくった。
特に酷いのが鮭ムニで、請求されるのが100皿。
ロンドンで「調理してくれる人いませんか」というシャウトが流れる日々が続いた。
袖振り合うも多生の縁。
おれはシャウトを聞いたら即座に飛んでいった。
材料を用意している方にはお代は請求しなかったのだが、みなさん何故か代金を支払っていかれる。
額がどうこうではなく、その心遣いが嬉しい。

祭価格でバザーをしていたのだが、中には買い占めに走る方もいらっしゃる。
仲間の分かも知れない。
知れないのだが、買い占められると切ないので、分割してバザーした。
バザーキャラとは別に、本体は釣り採集調理で活動中。
その間にバザーの世話をすることくらいわけはない。
実は放置バザーのふりをして、あの時、バザーキャラの中の人はちゃっかりいたのである。

明け方、色つきネームの方がバザーを覗きに来た。
（そんな時間まで必死かおまえは、という突っ込みはいらない。言われなくても必死な自覚はある）
当時のおれは海賊はとにかく怖い苦手出来れば近付きたくない、と思っていた。
だがしかし。
海賊も人の子である。
祭を楽しむ権利はある。
その方はバザー品を買ってすぐに立ち去られた。
おれが「お客様は神さまである」と考えを改めた瞬間だった。
ささっと立ち去る辺り、何ともかわいげがあるじゃないか。

飛ぶように料理が売れた。
魚もあっという間に完売した。
儲けた額が幾らだったのかは判らない。

あの祭で貰えた報酬は、実は自分のキャラとは違う性別でなければ使えない、要するに男女交換が前提のアイテムだった。
おれが交換してもらおうとしていた人には、何本かの電話が届いたと聞いた。
それをぶっちさせたのはおれだ。
つーか、おれと交換しないで誰と交換する気だ、おまいは。
などという、もの凄く横柄な態度に出て、無理やり交換してもらった。
実は他に交換してもらう相手がいなかったからだということは、悲しいから伏せておく。
（まあ、交換相手はぶっちゃけ、シアだったわけだが）

身体言語がまだ低かったあの頃、おれは常時そのアイテムを装備していた。
危険海域に出る前には必ず金庫に大切にしまいこんでいた。
レアだからではない。便利だからでもない。
あの祭が熱かった証拠の品を失いたくなかったからだ。



時が流れ、今はもう、そのアイテムを装備することはない。
アパルタメントの家具の中にしまわれたままだ。
だがそのアイテムを見るたびに、おれはあの祭のことを懐かしく思い出すのだ。